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dari K to the World
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Dari K本店を一時休業する理由

こちらのページでご案内させていただいた通り、Dari K本店(京都市北区紫竹西高縄町72-2)は5月1日~9月30日までの5カ月間、休業させていただく運びとなりました。

これまで移転や改装に伴い、本店を一時的にお休みさせていただいたことはありましたが、5ヶ月にわたって休業するというのは2011年にDari Kを創業して以来初めての出来事になります。

「どうしたの?」とご心配される方も少なくないかもしれませんが、この決断を下した理由は極めてシンプルであり、かつ非常にポジティブなものになります。ですので、今回、どれだけ読者がいるかは分かりませんが(笑)この決断に至った背景をブログにしたためることにしました。

ところで、私は物事を考えるときに、いつもとてもシンプルなロジック(論理)に落とし込む癖があります。このブログをご覧下さっている方に少しでも分かりやすくお読みいただけるように、自論を紹介しながら書き進めたいと思います。

そもそも、私たち人間はひとりひとりが、それぞれのカゴを持っていると思っています。カゴには当然、人それぞれキャパ(容量)があります。そしてそのカゴの中に、「やりたいこと」「やらなければならないこと」「どちらでもいいこと」など、これまた各人の判断で分けられるボールを入れて生きていると考えています。

「やりたいこと」のボールでカゴを埋めている人もいれば(これはラッキーな方か非常にポジティブあるいは楽天的な考えの人かもしれません笑)、「やらなければならないこと」のボールがカゴの大部分を占める人もいるでしょう。

カゴに入っているボールの種類が何であれ、またボールをいくつ入れているかは人それぞれであったとしても、全ての人に共通することがあります。それはカゴにはキャパ(容量)があり、そのキャパを超えてボールを入れ続けることはできないということ。

世界に70億人いるとして、地球上のすべての人にとって、1日24時間というのは変えようのない事実です。それゆえ、どんなにキャパの大きいカゴを持っている人でも、無限にボールを詰め込むことができるわけではなく、ボールを入れていけば溢れてしまいます。

そんな制約の中で、私たちがより満足のいく人生を送るうえで出来ることは2つ。1つはこのカゴそのものを大きくして、入れられるボールを多くすること。具体的に言えば、生産性を上げ、1時間当たりに出来ることを増やしていき、結果的にカゴに詰め込むボールの個数を多くするわけです。

もう1つはカゴにいれるボールの種類を選択すること。「やりたいこと」「やらなければならないこと」「どちらでもいいこと」これらに色分けされたボールをカゴに入れていくのですが、できるだけ「やりたいこと」を増やすよう、ボールの配分を考えていくことわけです。

さて、私は日頃こんなことをを考えているわけですが、この考えは個人にとどまらず、会社とか組織にとっても当てはまるのではないかと思い始めました。つまり、会社にもそれぞれカゴがあり、そこに経営者が選んだボールを入れていく、と。

Dari Kには、幸いなことに(そしてそれがゆえに悩むことも多々ありますが)、「やりたいこと」が沢山あります。「やりたいこと」のボールをカゴに入れても、どんどん新しい「やりたいこと」のボールが増えてしまっています。カゴのキャパを大きくする努力はもちろんしているものの、カゴが大きくなる以上に速いスピードで、やりたいことのボールが増えているのが現状。

そんな現状に直面して、カゴをさらに大きくすることに集中すべきか?あるいはボールの種類をしっかり精査し、次々に出てくる「やりたいこと」の中でも優先順位をつけることで、厳選したボールをカゴに入れていくべきか?熟考しました。

振り返ってみると、これまでDari Kはカゴのキャパを大きくすることを最優先にしてきました。実際にカゴは年々大きくなっています。しかしカゴの拡張を優先させてきたがゆえに、カゴの中のボールは「やりたいこと」よりもむしろ「やらなければならないこと」が多くなってしまっていたのも事実です。

無限にボールを入れられるわけではない以上、今のDari Kにとって重要なのは、カゴに入れるボールを再度見直すことだという結論を導きました。その際に、

①目的と手段を改めて見直す

②自社のポジショニングを改めて見直す

の2つを行いました。

まず①「目的と手段を再度見直す」に関して。「カカオを通して世界を変える」をビジョンに掲げるDari Kにとって、その目的は「ダリケーが存在することで、生産者や消費者の行動やそれを取り巻く社会を変える」ことです。それゆえ、こだわりのチョコレートを作ったり、その商品を販売するための店舗を運営することは、その目的を達成するための重要な手段であったし、これからもそれは変わりません。

しかしながら、チョコレートを作って店舗で販売することが、目的を達成するための唯一の選択肢であるかと問われると、そうではなく、目的を達成するための手段は他にも存在することに気づきます。

つまり、「やりたいこと」「やらなければならないこと」「どちらでもいいこと」に色分けするとなると、チョコの製造や販売は「やりたいこと」かつ「やらなければいけないこと」ではあるけれど、それだけでカゴを埋めてしまってはいけないなと。

②の「自社のポジショニングを改めて見直す」に関して。そもそも私たちは社会の中で生かされている以上、その環境は刻々と変わり、また他の人や他の会社も日々変わっていきます。2011年にDari Kを設立した時は、日本にはBean to barチョコレート(原料カカオ豆から最終商品のチョコ作りまで一貫して行う)という言葉やカテゴリさえ無かったし、それをメインに据えて店舗展開しているショコラティエはいませんでした。

しかし、今や日本の中でBean to barのチョコレートブランドは100を超えると言われ、原料や製法にこだわるお店は数えきれないほどあります。

8年前にはDari Kしか出来なかった、あるいはやっていなかったことが、今は他の方もやっていたり出来ているのであれば、そして①とも関連しますが、それが「目的」ではなく「手段」であるのであれば(つまりBean to bar製法はDari Kにとって目的ではなくあくまで手段であるのであれば)、私たちは限られたカゴに入れるボールの色を改めて塗り直す必要があるのではないか、と考えたのです。

足元に転がる沢山のボールをカゴに入れていく作業をしていると、表面的なボールの色を見てカゴにいれてしまいがち。だからこそ、一度立ち止まって、ボールの表面をこすって、本当のボールの色を見なければいけないなと。

こうして私たちDari Kのカゴに入れるボールの優先順位を考えたときに、直営の店舗としては、本店以外にも祇園や昨年京都駅西口にオープンした姉妹ブランドの「ジ・オブローマ990」があり、また直営ではないけれどDari Kの商品を扱ってくださるお店は増えている中で、「店舗」というボールは既にカゴに数多く入っており、それがカゴの容量の多くを占めていることに気づきました。

一方で、私たちの目的を達成するための手段として、やりたい、かつやらなければならないボールは他にも沢山あって、例えば

・チョコレートのテイスティングや他の食品とのマリアージュなどチョコを楽しむだけではなく、原料カカオは誰がどう栽培しているかを知れたり、その製造プロセスを深く学べるワークショップ

・世界や社会、環境を良くしていくためにDari Kがインドネシアで挑戦していることを少しでも多くの方に知ってもらうためのセミナーや講演活動

・店舗に来てもらうのを待つのではなく、一人でも多くの人にその存在と取り組みを知ってもらえるようにこちらから出向く出張ワークショップや出張販売

・それらを実際に体験してもらえる魅力いっぱいのカカオ農園ツアー

などなど、私たちが「やらなければならない」と考えながらも、まだ十分にできていなかったり、もっともっとカゴに入れていきたいボールが山ほどあることに気づいたのです。

以上のような思考プロセスを経て、私たちは本店を一時休業することにしました。店舗を休業することで、カゴに余裕ができるため、その分の時間とスペースを使って、上記のような活動を早速していきたいと思っています!

まとめると、本店の一時休業は、お客様にとってはご不便をおかけしてしまい大変心苦しいながらも、長期的な視点でみると、Dari Kにとっては決してストップを意味するのではなく、むしろ目的を達成するたにスピードを上げるためのギアチェンジなんです!

そしてこの休業が明ける10月からは、また新たな展開も始まる(はず)!私たちはこれからも走り続けてまいりますので、引き続き応援お願い致します。

*****ちなみに*****

店舗という意味では、本店は5カ月間休業させていただきますが、直営店としては
★Dari K祇園店
★姉妹ブランドであり京都駅西口改札すぐにあるカフェ&物販の「ジ・オブローマ990 by Dari K」
は一層力を入れてまいります!

また、Dari Kの商品の一部は
★京都駅ポルタ地下一階の「京せれくと」さん
★京都駅直結のホテルグランヴィア京都のカフェレストラン「ル・タン」さん
★ホテル日航プリンセス京都さん(京都の街の中心である四条・烏丸駅から徒歩すぐ)

においても継続して販売致します。

今年1月にリニューアルしたオンラインショップでも、これまで通りDari K商品をお買い求めいただけますので、是非ご利用ください!