冬ギフトに!濃厚カカオのテリーヌショコラ

dari K to the World
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訪問記 Part 4

さて、カカオ農園訪問を終え、農家の方たちとだいぶ
仲良くなってくると、家で一休みしていってと
家を案内してくれました。
さきほどの農園で取れたてのキャッサバ(芋)を
揚げてくれたり、甘いものを出してくれました!
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写真の手前右がキャッサバをあげたもの。
左が揚げ餃子のようなパフ。
このキャッサバ、めちゃめちゃ美味しくて
ショコラティエ一同大絶賛だったのですが、
今wikipediaで調べてみるとこんな記述が・・・
「食用とするためには毒抜き処理が必要なことや、
毒抜きのために皮や芯を除去した芋はその場で加工しなければ
腐ってしまうなど、利用の制約が大きい作物」
え・・・?
毒抜きしてたんかな~?
「揚げるだけですぐ食べられて美味しいよ」なんて
言ってたけど、どうなんだろ!?
まあもう帰国してだいぶ経っているし、
現地の人もそれくらいは知ってるだろ、ということで
tidak apa apa(ティダ アパ アパ:「問題ない」の意)!
この後も長さ60~70cmはあろうかというジャックフルーツを
出してくれたり、大変もてなしていただきました。
翌日は、今回の旅の大きな目的のひとつを実行する日。
カカオ農家の人は自分で育てたカカオの実を収穫して
豆を取り出して、乾燥させるところまでは知っているけど
その後どうやってチョコレートになるかは知らないし、
そのチョコレートの味も知らない人がほとんど。
だったら一緒に作ってたべてみましょう、というのが
今回の大きな目玉企画でした。
ショコラティエたちにとっては初めてのカカオ農園ですが
私にとっては初めてではありません。
私が初めて農園に行った時も、2回目の時も、
いつも日本からチョコレートを持っていきました。
そして農家の人に食べてもらったのですが、
なんというか、「へー、これがチョコレートか。
へー、カカオからこれができるのか」とみんな
驚いていたけど、なんか私的には腑に落ちなかったのです。
それはきっと、農家の人も同じ。
カカオ豆からチョコレートへ、その製造プロセスを
理解しないと、いまいちしっくりこないんだと思います。
でも限られた日数で、私一人でカカオ豆からチョコレートを
現地で作るのは結構難しいこと。
だから今回スタッフみんなで訪れるときは、
農家の人も交えて一緒にそのプロセスを
体験してもらおう、そう考えていたのです。
当日、村につくと、まだ人はあまりおらず・・・
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私たちの乗った車のエンジン音を聞きつけてか
徐々に人が集まりだします。
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そして数分後には・・・
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この人だかり!
ちょうどラマダン(断食)で学校が休みだったため
多くのこどもたちも集まってくれました!!
今回のこの企画、いくつか仕掛けがありました。
【仕掛け①】
「チョコレートそのものでなく、チョコレートのお菓子を作る」
チョコレートは、その中の油脂であるカカオバターの
融点が30度くらいなので、気温の高いインドネシアでは
作ったそばから溶けてしまって固まりません。
だからより実用的に、チョコレートを使ったお菓子作りを
することにします。
【仕掛け②】
「材料は全て現地のものを使う」
今回の企画の目的は、いかに繊細で口溶けがよいものを
作るかではなく、現地の人が、私たちが帰ったあとでも
作れるような、サステナブル(持続可能)な仕組みを
作ることでした。
だから、日本から小麦粉やグラニュー糖を持っていくことも
可能でしたが(実際万一材料が手に入らないとき用に
材料をもっていきはしましたが)、現地のミニマート
(小さいスーパー)で手に入るもののみで作る
ことにしました。
【仕掛け③】
「各ショコラティエは自分でメニューを考える」
みんなでひとつのお菓子をつくっても、
それが現地の人の好みに合うか分からない!
そこで、各ショコラティエがそれぞれ自分で
現地の人にうけそうなメニューを考えてきて、
それを作るというスタイルをとりました。
最終的に
★チョコバナナクレープ
★チョコパンケーキ
★チョコ&カカオニブクッキー
★チョコ&カカオニブパウンドケーキ
の4つを作りました。
結局、現地のミニマートではバターやマーガリンは
ありませんでしたがそれは十分想定内。
それなしで作れるよう予めショコラティエには
アドバイスをしておいたので、こちらも
tidak apa apa!
【仕掛け④】
「デモンストレーションでなく、全員参加型」
日本人が作っているのをただ見てもらっても仕方
ありません。一緒につくって、言葉はつうじなくても
ジェスチャーでコミュニケーションをとりながら
みんなで楽しくやる、そしてカカオから各種
お菓子をつくるのは楽しくて簡単だということを
分かってもらう、これは絶対必要な条件でした。
さあ、人が集まってきたところでいよいよ
スタート!!
まずはカカオ豆を洗って、フライパンで
ローストするところからはじめます!!
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はじめはみんな半信半疑。というか、
何が始まるのか観察しているといった様子。
でも「一緒に皮を剥いて」というと、
笑顔でやってくれました。
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現地の主婦層、さすが料理は得意で、器用な上に
手の皮が厚いのか、ローストしたてのカカオ豆の
皮をものすごいスピードで剥いていきます。
このスピードには、毎日皮むきをしているDari Kの
誰もかなわず。。。
「このおばちゃんたちをDari Kにスカウトしたい!!」
と心の中で叫びました。
皮むきが終わると次は豆をすりつぶしていきます。
日本でカカオ豆からチョコ作りの体験教室をするときは
はすり鉢、すりこぎを使ってやっていましたが、こちらは
石の鉢と石の棒を使ってやります。
この道具、現地では唐辛子を細かく挽くのに使っているので
道具も現地バージョンでやることができました!!
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日本人とインドネシア人でかわるがわる
カカオ豆を挽いていきます。
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ゴリゴリ、ゴリゴリ・・・・
20分後。
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ようやく豆の原型がなくなり、油脂がでてきてペースト状に。
これに砂糖を混ぜて、チョコのスプレッドを作ったら
早速クレープ作り。
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現地の人はとにかく手先が器用ですぐに
覚えてうまくひっくり返します!!
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次はパンケーキ、そしてパウンドケーキも。
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カカオ豆をそのまま上にトッピングした
チョコレートのパウンドケーキの完成!
無題
これが出来たのが18時前後。
主婦層の多大なる貢献で、全部で2時間くらいで
終わりました!
折りしもラマダン(断食)期間中。
18時で日没となり、朝から何も食べていなかった
現地の方々はお腹ぺこぺこ。
出来立てのお菓子を家の人と食べるといって
それぞれ袋に入れて持って帰っていきました。
残りは農家のリーダーの家でみんなで試食!
『おー、すごく美味しい』と
とっても喜んでいただけた様子!!
本当にあっという間だったけど、一緒に
お菓子作りをすることを通してコミュニケーションが
取れ、笑いが絶えず、みんな終始笑顔で
このプロジェクトは無事終わりました。
いよいよ次は訪問記の最終回。
私が感じたことを綴りたいと思います。