8月1日から2週間に及ぶガーナ&コートジボワールのカカオ視察を終え、今帰国の途に着いています。
日本に輸入されるカカオ豆の約8割のシェアを誇り、その地位を長年不動のものとしてきたカカオ生産国の代名詞とも言えるガーナ。
その西隣で全世界のカカオ豆生産量の約3分の1を占め、断トツで世界1位の生産量を誇りながらも日本ではほとんど知られていないコートジボワール。
そして1980年台から急激に生産量を伸ばし、今やガーナにひけをとらない世界3位の生産大国となっているダリケーの本拠地インドネシア。
この3カ国を見ることで、今までインドネシアで我々がしてきた活動は実は西アフリカでは普通だったり、逆にインドネシアで当たり前のようにしてきたことが実は西アフリカでは全くなされていなかったりすることの連続にアドレナリンが出まくりでした。
農園だけでなくガーナではガーナ大学農学部教授のアレンジにより、ガーナのカカオの全てを司る政府機関カカオボードと面談したり、世界各国のチョコレートメーカーが資金を拠出して農家の厚生を向上させる取り組みをするWorld Cocoa Foundationと意見交換をすることもできました。
コートジボワールでも同様に、農園訪問から政府機関であるカカオ評議会、カカオ研究所や摩砕工場などサプライチェーンの全てのプレイヤーと面談させていただきました。
今カカオを取り巻く世界の情勢は目まぐるしく変化しています。政府の政策一つ変わると業界勢力図がひっくり返るくらいの破壊力がありますし、欧米の大手チョコメーカーが斬新な取り組みを仕掛けると、これまたカカオ生産者や生産国政府に大きな影響を与えます。
見ているのはカカオですが、カカオをコーヒーに置き換えたら、コットンに置き換えたら、トウモロコシや小麦に置き換えたら・・・と考えると、嗜好品るいは換金作物(cash crop)か自給用作物かなど若干性質は違うとはいえ大方のコモディティにもあてはまることが多いゆえに・・・
そして忘れてはならないのは「人口増加」と「気候変動」。これは間違いなくここ数十年で最も重要なマクロ影響要因になるでしょう。アジアやアフリカ諸国ではまだまだ人口増加は続いています。街中では赤ちゃんや小さい子供がたくさんいます。人口の平均年齢が20代の国も全く珍しくありません。
他方、年々その影響が顕著になっている気候変動。ジワジワとボディブローのように効いてくるのは時間の問題です。
人口増加も気候変動も日本という狭い島国に居たら肌感覚で全然感じられない。しかしマクロで見たらそれは日本人の想像を遥かに超えるスピードで進んでいる。
この2週間、たった2週間だけの西アフリカ滞在でしたが、自分たちがやらなければならないこと、やれること、いろいろ気づかされました。
もちろんもっと美味しいチョコをどうすれば作れるのか、素材のカカオそのものの質を、誰も想像が及ばない次元で高めるアイデアも湧きました。
来週からはDari Kカカオ農園ツアー@インドネシア スラウェシ島があります。参加者の皆様、是非お楽しみにしていてください!帰国後ホヤホヤのアフリカの話もさせていただきます。
明日8月15日(月)は創業以来約5年半営業してきたDari K三条本店の閉店日です。今トランジットでドバイにいますが、これから帰国して、明日の本店最終営業日の閉店時間である19時にギリギリ駆け込む予定でおります。
まだまだダリケーは「カカオを通して世界を変える」というゴールに対して、その1-2割しか達成できていません。ゼロから1までもっていくのは大変でしたが、1から2へ、2から3へも道のりは容易ではなさそうです。でもだからこそ、これからも俄然張り切って参りますので、引き続きよろしくお願い致します。