新作 │ 発酵にこだわるチョコレートトリュフ

dari K to the World
ブログ

自分の良いとこ・悪いとこ

年末年始は色々考えることが多い。
やることは依然びっくりするくらい多く、
普通の会社員や公務員なら黙って働いているだけで
勝手に会社がやってくれる年末調整も、自分で
税務署でやってきたりだとか、今後出店する百貨店への
提出書類、販売員の手配、取材原稿やカタログの校正、
バレンタイン用リーフレット作成などなど
Non-stopでやることは増えていく。
今日もこれらの他にインドネシアと連絡を取り
次の輸入の手配をしたり、通関業者にアップデートを
お願いしたり。
しかもこれらは日常の仕事であるカカオ豆の焙煎や
ペースト化、接客など朝9時前から夜9時までの業務
の後にやるからもう寝る時間がない。
そしてそんな忙しい時に限って、なんか色々
考えてしまう。それでブログもついつい書いてしまう(笑
今日のタイトルは「自分の良いとこ、悪いとこ」。
まあ要は長所・短所のような感じだけど、
長所や短所って結構紙一重というか、見方によって
どっちにも取れることが多い。
たとえばしっかりやらないと気がすまない、という
性格も、「ものごとを順序だてて抜かりのないよう的確に
こなします」なんていえば長所だし、「ささいなことでも
気になってしまい、神経質である」なんていえば短所に聞こえる。
ものは言いよう。
それで、私の長所・短所を敢えてブログで書いても
仕方のないような気がしないでもないけど、
なんだか書きたい気分なので、そして書くことで
気分転換になる気がするので、書いてみる。
上の流れでいくと、私の性格は「そこに(改善や向上の)余地が
有る限り、やる」ということだ。別にこれを
モットーとしているとかではなく、性格的に(先天的か
後天的かは分からないけど)そうなってしまっているのだと思う。
この性格、一見すごく良い。というのも
常に現状に満足せず、前を・上を向いて常に頑張り続けるからだ。
でも、実は厄介でもある。
前に「漁師とMBA」のエピソードを書いた時に孔子の言う
「足るを知る」ことの重要性も書いたが、現状に満足することも
大切なのだ。
それは分かっていながら、どうにも頑張ってしまう。そこに
余地が有る限り・・・
経済学を少しでも真面目に勉強したことがある方なら
「収穫逓減(しゅうかくていげん)」と聞いたら
私の言わんとすることが分かってもらえると思う。
あの、限界費用の逓増ということだ。
簡単な例を出すと、例えば今私の数学の成績が
50点だとする。これを80点にもっていくには
3時間かかるとする。1時間勉強すれば10点あがる、
そんなイメージ。
でも、だったら5時間勉強すれば50点から100点に
なるかというと、そうは問屋が卸さない。
50点から80点は勉強時間さえ増やせばいけても、
80点から100点へは、そこからさらに10時間とか
勉強しなきゃならなかったりする。
そういうことって社会でも往々にしてある。
50点のボツのプロジェクト計画書も、5時間残業すれば
なんとか合格点75点の計画書にもっていける。
でもそこから5時間さらに時間をかけたからって、
100点にはならない。
ある程度までいくと、そこから上に行くのには
めちゃめちゃ難しくなる、ということだ。
話を戻して、私はこういう状況の時に、合格点で
満足できない性質(たち)なのだ。上があるなら、
もっとよくなる余地があるなら、そこまでいくのは
めちゃめちゃ難しいと知っていながら、やってしまう。
これは結構自分で自分を苦しめる。
限界費用(それが時間であれ体力であれ)が増えていく中で
得られる実感は少ないのだから無理もない。
でもこれって実はすっごく重要であったりもする。
きっとDari Kがお付き合いして頂いている
日航プリンセスの料理長やグランヴィアホテルの料理長も
そうだと思うし、料理界だけでなく、金融の、特に
外資系のバリバリ系のアナリストなんかはまさにこれ。
80点じゃ意味がないんです。
50点から80点に上げるには100時間の努力でいいかもしれないけど
80点から85点に上げるのにも100時間かかるし、85点から
90点に上げるには今度は200時間かかるかもしれない。
95点にあげるには、そこからさらに1000時間かかるかもしれない。
そんなもんです。上にいって、上昇の余地が少なくなればなるほど
その1点を挙げるにはものすごく大変な努力と時間がかかる。
だからみんな途中でやめちゃう。
でも、分かる人にはわかるんです、きっと。
90点と91点の差が。それを気にしない人もいるし、
90点以上なら90点でも95点でも同じ、と見る人もいる。
でも、分かる人には分かるんです、絶対。
その1点の差が。そしてその1点を挙げるのに
どれだけの努力をしたかが。
世の中には90点のチョコレートなんていっぱいあります。
でもDari Kは91点を目指すし、91点になったら今度は92点を
目指します。大してチョコに興味がない人には
その1点の差はもうどうだっていいじゃんっていう誤差。
でもDari Kは、いや僕はそこにこだわりたい。
ワインにそれほどこだわらない人に、3000円の普通に美味しいワイン(90点)も、
30,000円のやっぱり美味しいワインも(93点)、300,000万円の
当たり年の有名シャトーのヴィンテージのワイン(95点)も
どれもみんな「美味しい」ワインで変わりがないのと同じ。
10倍の価格だからって10倍美味しいわけじゃないし。
でもやはりチョコレート専門店で、カカオの可能性を突き詰めている
以上、Dari Kに妥協はないし、したくない。
金融の最先端なんて、情報を90もってるのと、91もってるのを
比べた時に、その差の1がもうとんでもなく重要で、まさにall or nothingの
世界。他人より1でも多く情報を持っている人が全ての富を享受する
世の中。
1の違いがどれだけ重要かを、自分の肌で、頭で感じてきたから
いまさらこの性格はどうしようも出来なそうです。
これは自分の良いところでもあり、でもこれゆえに犠牲も多く、
悪いとこでもある。
でも人生一回だから。
現状に満足して、大きな心と大きな器で細かいことに気にしないのも
幸せな生き方。逆に常に少しでも改善することを肝に毎日汗水たらして
それを誇りと自身で感じ、それを評価してくれる人と喜びを分かつのも
また幸せな生き方。
そしてまた僕は1を上げるためにまた仕事に戻ります(笑)
P.S. 数量限定ですが、お取り寄せ再開致しました!