バレンタインが終わりました。
2月にはいってからのこの2週間、いや昨年のクリスマスが
終わってからこの約50日間、駆け抜けました。
こんなに身体を使ったのも、こんなに頭を使ったのも、
生まれて初めてでした。
Dari Kにとっては初めてのバレンタイン。
1つの百貨店に出店するのも大変なのに、
今回は伊勢丹、高島屋、大丸、近鉄、阪急キッチンエールと
関西の百貨店には軒並み出たからもう大変でした。
大きなイベントには想定外の出来事はつきもの。
それでもパニックにならず冷静に一つずつ判断できたのは
自分で自分を褒めてあげたいくらい。
でも今日はそんなことよりも皆さんに知ってもらいたいことが
あります。
それは、Dari Kは最高のメンバーに恵まれているということ。
当たり前と言われればそれまでですが、初めてのバレンタインを
こうして乗り切れたのも、このメンバーのお陰です。
Dari Kのチョコが他のチョコと異なる点は多々ありますが
そのひとつは何といってもフレッシュさ。
フレッシュなカカオをフレッシュな状態でチョコレートに
するから味も香りも格別です。Dari Kにとってこれは最大の
アピールポイント。
しかし、この最大のアピールポイントは、裏を返せば
最大のウィークポイントでもあります。
つまり、フレッシュさと表裏一体にあるのが賞味期限の短さ。
賞味期限が短いというのは販売面からしたら在庫管理が難しく、
廃棄リスクも高いということであり、製造面からしたら
作り置きができないという生産キャパの上限を意味します。
百貨店でも、多くのブランドのチョコレートの賞味期限が
2-3ヶ月とか、短くても1ヶ月とかなっている中、
Dari Kのは1週間のみ。2月7日以前にお買い上げ頂いたら
バレンタインまで持たないという現実。これは取りも直さず
お客様の購買意欲を削ぐことになりかねません。
(ああ、なんと商売に不向きなチョコレート!)
それでも尚、こうしてDari Kがフレッシュさにこだわるのは
フレッシュだからこそ醸しだすあのアロマがあるからなんです。
そしてこのチョコレートを作るために、連日連夜
製造にあたるショコラティエ達。
チョコレートはカカオ豆から出来ると頭では知っていても
まさか自分でカカオ豆から作るなんてDari K入社前は
思いもしなかったであろうショコラティエたちは今、
多くの作業工程を自分の手でこなしながら作っています。
私はカカオ農園に行っているし、農家の人たちと話したし、
スラウェシ島のこともカカオのことも、商品相場のことも
分かっているからモチベーションは高いですが、
ショコラティエにとってそれらの情報は私からの
又聞きでしかない。
それでも、私と同じくらいの情熱をもって、美味しい
チョコレートのために、スラウェシのカカオ農家のために、
作りおきのできない尋常でないほど手のかかるチョコレートを
カカオ豆から作ってくれる。
そこには、若いながらも職人としての技を磨く気質と
自分の作品(チョコレート)を通して人々へ感動を
与えたいという情熱、そして生産者の現状を理解して
食材のもつ可能性を追求する向上心があります。
自分より若い彼ら・彼女らと一緒に仕事をする中で
私は多くを学ばせてもらっており、またこのチームで
バレンタイン商戦に臨むことができて本当に良かったと
思います。
そして今回、このブログで感謝の意を表したい人たちがまだいます。
それはDari Kの販売スタッフ。
Dari Kの味とストーリーに共感したからお手伝いさせて
下さいと昨年末から販売員として活躍してくれている方、
今年初めから多大なる貢献をしてくれている接客担当の社員、
そして今回の百貨店バレンタイン催事出店で力を貸してくださった
販売員の皆様。
いくら私やショコラティエが心を込めて愛情込めて
チョコレートを作っても、それが相手に、お客様に伝わるか
どうかはまた別問題。
Dari Kのチョコレートは食べてみれば味の違いは
瞭然ですが、食べたことのない人にそれを伝えるのは
至難の技。
百貨店を回っていて、どこの販売員さんも試食配りと
レジ打ちに必死になっている中、Dari Kの販売員は
一生懸命カカオ豆の焙煎からチョコを作る意義を
語りかけてました。他のメーカーと違って試食も
ないDari Kにとって、販売員の仕事は決して楽ではありません。
なぜ試食がないのか、なぜインドネシアのカカオ豆に
こだわるのか、カカオ豆の自家焙煎の意義、Dari Kの
取り組み、全てを理解しないとDari Kの販売員は
務まりません。
ましてや前回のブログに書いたとおり、日本の消費者は
ブランド名やパッケージでチョコを選びがち。
そんなお客様が趨勢の中、私やショコラティエの
想いを伝えるべく、目を輝かせて販売してくれた
彼女たちに私は本当に感謝しています。
インドネシアのカカオ農家を幸せにするのがDari Kの
ビジョンの一つ。でもそのゴールのために身近にいる
スタッフの幸せを考えられないようにはなりたくない。
まずはショコラティエも、販売員も、そしてお客様も
Dari Kの身近な人から幸せにしたいし、その先に
インドネシアのカカオ農家があるんです。
でも忙しくなったり、慌しくなると私の器が小さいからか
身近な人にほど厳しく当たってしまう。
強い口調で言ってしまいながら「あ~、もっと言葉を
選ぶべきだ」と反省してはいるけど、
でもそれを分かってくれて、汲んでくれて、
それでベストを尽くしてくれたDari Kのショコラティエ、
販売員、百貨店での販売スタッフ、すべての方に感謝してます。
みんな最高です!
だからバレンタイン終了後の感謝をはじめに表したいのは
あなた達なんです。
My special thanks goes to the chocolatier and the
sales staff of Dari K. You rock! We rock!!
人生初
2012年2月16日