新作 │ 発酵にこだわるチョコレートトリュフ

dari K to the World
ブログ

ロースト・カカオ豆

今日はお昼に母校の一つである京大大学院の
教授達とランチをしました。私の学生時代の
指導教官ではなかったものの、インドネシア研究では
著名な先生で、お話していてとても楽しく、かつ
有意義なひと時でした。
ところで私は京大の大学院ではある地域を
学際的に研究する『地域研究』をしており、
私の専攻は東南アジア地域でした。
学際的なアプローチ(interdisciliplinary
approach)とは、一つの学問体系から対象を
見るのではなく、様々な分野から包括的に
考えるというもので、地域研究のような
絶えず変化し一筋縄では説明できないものを
扱うには効果的だと考えられています。
例えば、それこそインドネシアのカカオ産業という
テーマがあるとします。これに対して研究を
する場合に、いつ・誰がそもそもインドネシアに
カカオを持ってきたのかという歴史学的アプローチが
まずは必要になります。
また現在インドネシアが世界第3位のカカオ産出国に
なり得たのかはなぜかということに関しては、
気候や土壌がカカオ栽培にどれほど適していたのかと
いう生態学的側面や、それまで稲作に従事していた
人々がカカオの栽培を始めるようになったのはなぜか
ということを家族や村単位でミクロで聞き取りをして
解き明かしていく社会学的側面もカバーすべきです。
当然、同じ問題を需要と供給といった経済学的
アプローチも出来ますし、カカオ栽培という観点から
逆に人々の文化・生活様式の変遷や影響を見る
文化人類学的な考察も可能です。さらに、政治が
そこにどう関わっていたのか、カカオ産業を
優遇・冷遇するような動きや法の施行、外国の
圧力はあったのかなど検証することも必要なわけです。
しかしですね、「言うは易し、行うは難し」とは
よく言ったもので、一つの学問的枠組みから
考えるのでさえ、理論の習得から、それが
現実世界でどう適用され解釈されうるのか
とんでもない時間を費やさなければならないのに、
それを学際的アプローチが効果的だからといって
ポンポンできちゃうわけでは当然ありません。
だから、地域研究をしている人は、学生・教授・研究者を
問わず、この「学際的アプローチ」という言葉に対して
非常にセンシティブになっていますし、しっかり
意識している人ほど、「私の研究は学際的アプローチで
研究テーマに対して包括的に分析しています」なんて
発言は決してしません。
私の京大大学院の時の研究テーマに関しては
いつか時間がある時に書くかもしれませんが
(ってかそんなこと聞きたい人がいるかなんて
分からないので、ネタ切れの時にでも書きます)
私が大学院と聞いて一番思い出すのは、
教授同士の議論です。
これは京大時代ではなくイギリスは
オックスフォード大の時の話ですが、ある教授が
研究報告会で発表をした際、他の教授たちもその
発表会に研究報告を聞きに来て、報告後(ときには
報告中に)「なぜそういう結論付けをするのか?」
「○○の理論を無視していないか?」と半ばけんか腰で
質問します。
日本の場合、そもそも自分と違う分野の研究者の
発表会にわざわざ出向いて、しかもコメントではなく
真っ向から質問をすることってほとんどないと思います。
仮に行ったとしても自分がよっぽどその分野に
精通していない限り議論を仕掛ける、ということは
稀でしょう。
だから海外の大学がいいとか、日本の大学がいいとか
ではなく、こうして両方を体験できたのは
とても新鮮でしたし、多くの発見につながりました。
さて、今日の本題ですが(またえらい前置きが
長い展開になりました><)、チョコでも
両方を体験してみようではありませんか!
いや、海外のチョコと日本のチョコを食べてみて、と
いうんじゃなしに、チョコとその原料のカカオを
食べ比べてみては、ということです。
s-CIMG4072.jpg
上の写真が、チョコの原料のカカオ豆をローストしたものです。
この後、殻を剥いてミルで砕いて(この細かく
砕かれたものがカカオニブと呼ばれるものです)、
さらにミキサーでペースト(カカオマス)にしていく
わけです。
しかし!せっかくなのでカカオ豆のまま食べて
みようじゃないですか!どんな味がするのか、
それは食べてみてのお楽しみ☆
と言いたいところですが、イメージを
お伝えするとちょっぴり酸っぱく、ほのかに
ベリーで、けっこう苦く、たっぷり栄養って
感じですね。
カカオ分100%とか99%のチョコを食べたことが
ある方はいらっしゃっても、カカオ豆をそのまま
食べたことのある人は殆どないのでは?
カカオ分100%や99%のチョコとカカオ豆とは
味はぜんぜ~ん違いますよ!
前にチョコレートの原材料
詳しく書きましたが、カカオ分=カカオ由来の成分
ではありますが、カカオ分=カカオの味では
ないのです。
なんだかカカオ豆を食べてみたくなりませんか?
食べてもいいんですか?いいんです!
生のカカオ豆を輸入しているからこそ、
そして毎日ローストしているからこそできる
このとっても斬新な商品、その名も
「ロースト・カカオ豆」(そのまんま!)
カシューと同様、こんな包装で新発売です。
発売して数日ですが、かなりのお客様に
お買い上げ頂いております♪
Roasted cacao beans
お値段は50グラム400円。
ピスタチオのように、殻を割って中の豆を
食べて頂けます。ピスタチオほど殻は固くなく、
落花生の殻のように厚くもなく、慣れれば
パリっとすぐに剥けます。
s-CIMG4319.jpg
豆ごとに味が結構違うので、一粒ごとに
新たな発見がありますよ!しかも食欲抑制効果が
あるのか、2~3粒でお腹が落ち着きます!
ダイエットにもってこいかも。
オススメはワインやウィスキーの肴に。
コーヒーでもいけます。あとはトーストに
バター塗って蜂蜜かけて、その上にカカオ豆を
ちらすとか。お菓子やパンのアクセントにも是非!
これ、パーティーとかに持っていったらかなり乙ですよ。
栄養満点のカカオ豆、是非お試しください!
もちろん、お取り寄せも可能です。Check out this super food!