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dari K to the World
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ひとりごと(続き)

前回のエントリーでは、Facebookの呼びかけの成果もあってか、 多くの「拍手」をいただきありがとうございます!

これだけご覧いただいていると知ると、俄然書く気も沸きます。

前回の続きでちょっと自分の考えをまとめてみました。

皆さんにとっても驚くべき事実だと思います。

是非現実を知って、自分たちに何が出来るか一緒に考えていきましょう!

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下記の表を見て欲しい。 これは、平成23年度の京都にある施設が障害者(就労者)に支払った 工賃(賃金・給与・手当など全て含む)の月額平均と全国のそれを まとめたものだ。

工賃比較

これを見て、まず分かるのが、「工賃って結構低い」ということだ。

しかし、障害者が働くことで得る給料(=工賃)の平均というか 相場感を普通の人はもっていないだろう。

健常者と同じく18万もらっているときけば、それは「高いな」と 思うかもしれないが、それより下の場合、いくらが妥当なのかは 分からないのが通常だろう。

(ここで盲点なのは、仮に障害者の給与が18万だとして、 それだと健常者と同じだから、かれらの仕事量(能力や仕事の質・スピード)を 考えると、高いと感じることにあるかもしれない。 障害者は障害ゆえに、普段の生活には健常者よりお金がかかるので あれば、それくらい本来は払われないと、フェアじゃない。 もちろんそれを給料として払われるか、その他の給付という形で 払われるかは別にして)

 

ともかく、上の表を見ても、工賃が高いのか低いのかいまひとつ分からない。

その理由は施設のカテゴリーが沢山ありすぎるからだ。

工賃の高い施設もあれば低い施設もある。

施設の数や、その定員など もっと詳細なデータが必要だ。 そこでもっと詳細なデータを探したら見つけたのが 下のものだ。

工賃

これを見ると、施設数も定員も殆どが就労支援施設B型だということが分かる。

A型は雇用契約を結んで就労の機会を提供するところなので最低賃金は 保障される。

だから賃金は高くなるが、逆に言うと最低賃金を払っても 大丈夫なくらいの仕事をしなければいけない。

そうなるとその要求レベルに応えられる就労者(障害者)の数も 限られてくる(要は、障害の程度がとても軽く、健常者並みの仕事が出来ねばならない)。

 

直近のデータによると、A型とB型の割合は1:9くらいで圧倒的にB型が 多くなっている。

これで、スッキリ腑に落ちただろう。

障害者が働いて得る賃金は、A型を見ると8万越えだが、 B型は1.4万円であり、障害者の9割はB型の施設に入っていることを 考えれば、障害者の平均工賃は1.4万円と見るべきである。

(統計学的に言えばMeanをとるか、Medianを取るかということ) となると、週5日、1日7時間(おそらく)働いて 給料が14,000円。時給換算してみよう。 14,000÷(1日7時間×週5日×4週間)=100 つまり時給100円だ。 障害者が働くと、その給料は時給100円。

 

これは妥当なのかどうか。 (マイケル・サンデル教授、どうでしょう?)

 

私が訪れた施設では、バスや電車で通ってる 障害者の方がほとんどで、自宅まで送迎というのは ほとんどなかった。

交通費を考えたらタダで働きに いっているようなものではないか?

もう少し掘り下げて調べてみる必要がある。 そう感じて厚労省のHPを調べた。

すると、20歳未満のときから障害を持っている場合、 障害基礎年金が20歳から支給される。

障害の度合いによって1級・2級(1級がより重度)と あるが、障害が中程度の2級の障害基礎年金は年額で 786,500円だ。

(ちなみに20歳前から障害を 持っていた場合、普通の年金は働いているときに 年金保険料を支払っているが、これらの人は支払わないため 所得額によって支給制限もある)

 

話がそれたが、786,500円を12ヶ月で割ってみよう。 すると1ヶ月約65,000円となる。

障害者でB型の施設に通っている人の工賃が月14,000円だ。 ということは、両方合わせて65,000+14,000=79,000円となる。

障害者が健常者と同じように働きに出て、週休2日で 1ヶ月働いて79,000円。

交際費とかは健常者よりかからないかもしれないが、それでも病院や薬代などは健常者よりも 遥かに出費がかかると思う。

それでいて79,000円は低い。

 

ちなみに京都市で30歳一人暮らしの健常者が生活保護を 受けるとしたらいくらか調べたら、83,700円だった。

 

生活保護を受ける人はそれなりに厳しい現状があるのかも しれないが、でも現実的に仕事も見つからず、生活保護を受けると 83,700円支給されるのに、障害者は毎日働いて 79,000円の支給は、私に言わせれば日本の社会保障制度は 大きく間違っている。

 

それではいったいどうすればいいのだろうか?

 

現実問題として、障害者年金の額を上げるのは厳しいと思う。

なぜなら、ただでさえ日本の年金制度は破綻リスクを抱えており、 これ以上支給額を増やしたら、それは年金制度の破綻を 早めることになるからだ。

だとしたら、方法は1つしかない。

工賃をあげるのだ。 これは直接Dari Kとは関係がないし、私個人が どうこうできる問題ではないかもしれない。

 

とは実は思わない。

 

インドネシアのスラウェシと日本を結び、 変革を起こしているのは事実で、それを設立から この2年で成し遂げてきた。

3年目の今年は 現地に農園を借り、そして現地でのカカオの加工もはじめる。

自分なら何かできると思う。少なくとも、 施設の人や障害者の家族が、もっと障害年金をあげろ!と 国に言ってもきっと国はそれに応えられないが、 工賃をあげるための策を考えることなら私は出来ると思う。

 

今の現状はどうにか変えていかねばならない。

ただ、かといってDari Kをこのまま投げ出すわけにもいかないので、 今後自分がどう関わっていけるかを考えていきたい、そう思う。

私の勘違いや理解の及んでいない点も多々あるとおもいます。

 

コメントあったら是非お気軽に!

 

《補足》 もともと国の障害保険福祉施策は平成15年のノーマライゼーションの 理念に基づき、充実してきた(と国は言っている)。

そこでは、障害ごとに施設を分け、また昼夜その施設に入れて おけるような体制だった。

しかし、障害ごとに行く施設が決まってしまうと縦割りになってしまい 障害者の選択肢が限られてしまうこと、また日中も夜も同じ施設になると これまた各障害者のニーズに合わせた施設を選べないことになる、 というような問題点があった。

 

これらの課題に対応する形で、平成24年4月から障害者自立支援法が 改正・施行され、

①障害の種類に関係ない施設の運営、

②介護は介護、 訓練は訓練と様々な施設を組み合わせて選べるようにした

よって平成24年4月からは(私がまちがっていなければ)授産施設は 就労継続支援施設のA型、B型に変わっているため、今は存在しなくなっているが ほとんどはB型に変わったようだ。

自立支援法平成24年4月から

ただ、障害の種類が違うのに全部受け入れたりするのはどうなのか?

障害者にとっては選択肢が広がるかもしれないが、施設を運営する側の 負担はどうなのか?

法制度が変わると、企業であれ、施設であれ 大きな影響を受ける。この辺のどこまでを国は考えているのか 具体的には、今の施設のPL(損益計算書)が、この法制度改正によって 今後影響を受けるのか、それを考えているかは甚だ疑問だ。