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dari K to the World
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ある日の出来事 Part 1

ゴールデンウィークが明け、春の陽気が気持ちよい月曜日の昼下がり。
お店の売上金を入金するために、近くの信用金庫に向かった。
既に窓口の営業時間は過ぎ、ATMだけがそこに佇(たたず)む。
ATMも思えばテクノロジーの賜物(たまもの)だ。
Automated Teller Machineの略といえばかっこうはいいが
日本語では「現金自動預け払い機」という、いかにも海外の
ものを日本に持ってきましたというような直訳が当てられる。
atm.png
名前はともかく、窓口に人がいなくても処理ができ、ましてや
そっちのほうが正確かつ手数料も安価となれば、ATMの
功績は計り知れない。
たまにATMの前で、おそらくどう操作してよいのか分からないのであろう、
高齢の方が手をこまねいて画面にタッチしているのを見ると、
テクノロジーについていけずにかわいそうだな、と思うが
間違いなく数年後には今よりもっとネットバンキングが当たり前になり
タブレットやノートPCで専用のバンキング・アプリなどを
する時代になるだろうし、自分が老いたときには、今では
考えられないような決済をする時代になっているのだろう。
そんなことを考えながら無人の信用金庫に入り、売上の入金作業に入る。
お札だけでなく、硬貨もあるのが少し面倒くさい。
でも100円も10円も50円も区別なく、ジャーっと硬貨投入口に
いれれば、勝手にカウントしてくれて入金してくれるのだから
大したもんだ。
そんなカシコイATMではあるが、その日に限ってはなぜか
動作が遅い。コインを数えているジーっという音が、通常であれば
2~3回で数え終わって静かになり、入金額を表示するところ
まったくその気配がない。10回、20回とジーっという音は続き、
処理時間は3分を越えた。ウルトラマンがこのATM使ったら
敵を倒す前にタイムアップだ、そんなことは考えなかったが
3分は長すぎる。
朝から酷使され続けたATMの反抗か分からないが、あまりにも
長いので、横についている電話で係りの人を呼ぼうと受話器に触れた
ちょうどその時、画面に「コイン返却口を確認ください」との
表示が出た。
そうか、投入した硬貨の中に、何か形が変形したコインか何かが
入っていたのかな、そう思って返却口に指を突っ込むと
明らかにコインではない感触が・・・・
(続く)