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dari K to the World
ブログ

【日本酒101】Part 1

広島は賀茂鶴さんで頂いた資料を元に
日本酒についてまとめてみます。
ちなみに賀茂鶴は「かもつる」と読みます。
「かもづる」とにごりません。
賀茂鶴さん直営のレストランで「かもづる」と
濁らない訳はなぜかと聞くと、日本酒は澄んだ水で作る
清らかなものだから、にごり・濁音は良くない、
とのことでした。なるほど!
ちなみにちなみに、このレストランでは
美酒鍋(びしゅなべ)といって、日本酒と塩・胡椒で味付けした
すき焼きのようなご当地料理を食することができます。
ちなみにちなみにちなみに、この美酒鍋は
もともとは「びしょ鍋」と呼ばれ、蔵元で酒を作る
若い蔵人(くらびと)が水仕事でびしょびしょであることから
「びしょ」と呼ばれており、彼らの賄い(まかない)料理として
「びしょ鍋」となり、近年になって「美酒鍋」と当て字が使われた
とのことです。
う~ん、こんな序盤からウンチクだらけですね。
日本酒、奥深いです。
【歴史】
さて、日本酒の起源ですが、紀元前3世紀ごろ水田耕作が
日本にもたらせれてしばらく経つと日本酒作りは始まったそうで
記録としては西暦300年には日本酒が飲まれていると残って
いるようです。
古代は宗教儀式や宮廷でのみ使われていましたが、鎌倉・室町時代には
日本酒作りの技術もだいぶ確立され、発酵をコントロールする
ようになっていました。
【原料】
基本的には「米」と「水」、そして発酵には「麹」と「酵母」が
作用しています。
おお!チョコレートの場合だと、基本的には「カカオ豆」と
「砂糖」、発酵には「バナナの葉」が作用しています。
シンプルさ加減が似ています!
さて、日本酒に使われる米は大きく分けて2種類。
①普通米:普通に食べるお米。
②酒米:日本酒作りのためだけに作られたお米。普通米より
大きく、柔らかい。産地が限られ、また耕作に技術が必要なので
価格も高い。
次は水。水に含まれるミネラルが日本酒の味に影響を与えるので
これも重要。弱硬水が鉄分やマンガンの含有量が少ないため
適しているそう。
ネットで色々調べていると、「リンやカリウムの多い硬水で
仕込むと辛口の酒に、軟水で仕込むと甘口の酒になりやすく、
有名な仕込み水として灘の「宮水」(硬水)、
伏見の「伏水」(軟水)などがある」そうです
(出所:http://www.rakuten.ne.jp/gold/niigata/dictionary02.html)
麹(こうじ)とは麹菌と呼ばれる細菌を蒸した米にふりかけ
育成させたもので、この麹菌が米のたんぱく質をアミノ酸に
分解したり、でんぷんをブドウ糖に変える働きをします、
味噌や醤油などを作るのにも麹菌は使われています。
酵母は麹によって生じた糖分をエタノール(アルコール)と、
炭酸ガスに分解する性質を持つ単細胞微生物で日本酒固有の風味、
香味は酵母によって造られるそうです。
「麹菌を入れないでいきなり酵母を入れても、酒は出来ない。
なぜならば、酵母はデンプンを分解できないからである。
デンプンが分解されたあとで酵母を加えれば、麹菌が作った糖が
発酵によってアルコールに変わる。酵母がアルコール発酵する
ためには、酸素を必要としない」
(「カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン」pp59)
さて、ここでもカカオとの比較をしてみましょう。
カカオ豆の場合は、何か人為的に細菌を豆につけると
いうより、木箱やバナナの葉に付いている微生物は
白い果実(パルプ)つきのカカオ豆と接触することで
発酵が起こります。
「バナナの葉や箱についている微生物であるが、それらは
産地によって異なっている。さらに、木箱を使う場合は
発酵するたびに洗うことはないので、何世代も続く微生物の
コロニーがあり、それが発酵過程を特徴づけている」
「したがって、同じ産地の同じカカオの木でも、発酵の場所や
方法、さらには同じ方法でも、使う発酵箱によって、
発酵したカカオ豆の特徴が変わるのである」
(「カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン」pp23)
どうですか?
まとめると、日本酒もチョコレートも、原料が
とってもシンプル(日本酒は酒、水、麹、酵母で
チョコはカカオ豆、砂糖、(発酵させるための木箱やバナナの葉))
なのが分かります。
でも日本酒は発酵させるために人為的に
菌を加えるのに対し、カカオは自然に発酵させるのが
違いです。
ある意味では日本酒は人為的に麹を作るところに
「熟練した技」が必要でその分難しいとも言え、
一方カカオ豆は自然界の微生物が勝手に発酵して
くれるから簡単だとも言えるでしょう。
でも、別の見方をすれば、日本酒は人為的に
できるからこそ、「熟練した技」を持つ杜氏が
仕込めば、しっかりした酒が出来るのに対し、
カカオの発酵は自然界の微生物の作用と言う
人の手では制御しきれないところで発酵がすすんで
しまうので、こちらの方が難しい、とも言えます。
いずれにせよ出来上がったものは「酒」であれ
「チョコレート」であれ、とっても身近で
スーパーでどちらも安く手に入るものですが
極めるとなるとそれはそれは奥が深いのが分かります。
そしてDari Kはこのカカオの奥深さに魅せられ、
文献も分析もあまり手に入らないながら、
インドネシアという大生産国でありながら
とってもマイナーなところのカカオを
全世界にサプライズをもたらすよう変身させるよう
これからも頑張ります。
次回は日本酒の製造工程について書いてみたいと
思います。