冬ギフトに!濃厚カカオのテリーヌショコラ

dari K to the World
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【カカオ101】 産地編

身近に食べているチョコレートの原料であるカカオ。
そのカカオのことを、皆さんにもっと知っていただきたい
ということで、新しいカテゴリー「カカオ101」を
作りました。
原料や素材の理解を深めると、そのお菓子や料理への
味わい方も変わってくるものです。現にワインが好きで、
ワインの原料であるブドウの品種や生産地域、また
ワイナリーに関心がいくことも多いですよね。
そんな感じで今日はカカオのことを学びましょう!
ちなみにタイトルのカカオ101、これ(ワンオーワン)と
読んで下さい。今日はその記念すべき第一回目
「カカオの産地」編です。
ちなみに101ってかというと、英語で初級コースや
初めての人(ビギナー)向けのコースのことを101と
呼ぶんです。例えばMath 101だったら初歩(初級)数学
だったり。カカオのことを1から楽しく勉強する、
そんなプチ講座を目指しています!
ということで、早速カカオ101をはじめましょう!
【カカオの生育条件】
カカオは熱帯の作物。高温多湿で年間の平均気温が
27度以上の、赤道をはさんで南北緯度20度の国で
生産されています。
カカオ生産国_R
直射日光が苦手なカカオの木は、周りにバナナの木など
背の高い木を植え、カカオはその陰になるように
して植えられます。ちなみに、この日陰を作ってやる
ように植えられた木をshade tree (シェード・ツリー)、
つまり陰を作る木・日よけの木と呼びます。
カカオの実は年中収穫は出来ますが、Dari Kの
カカオ豆の産地であるインドネシアのスラウェシ島では、
5~6月と10~11月が収穫のピークです。その他の月は、
2週間に1度くらいの割合で収穫します。
収穫した後は、実をナタで割って中の白い果肉(「パルプ」
と呼ばれます)を取り出す作業があり、これは全て
手作業のため結構な時間のかかる重労働です。
この辺に関しては、「カカオ農園訪問記」でいずれ詳しく
書きますね。
【カカオの生産国】
さて、赤道をはさんで南北経緯20度の国で生産される
のは上に書いたとおりですが、具体的にどんな国が
どれだけ生産しているのかを少し詳しく見てみましょう。
生産地
地域で見ると、アフリカが世界のカカオ生産の約70%、
アメリカ大陸(中南米)とアジアがそれぞれ約15%
だということが分かりますね。
年によって気候の影響やカカオの天敵である
CPB(蛾)の発生により、収穫量は変わりますが
とはいえ植物であるので、急に収穫量が数十パーセント
増えたり、ということはないわけで、微増や微減と
なります。
最大生産地域のアフリカの内訳を見てみると、
コートジボワールがダントツ1位で、アフリカ全体の
生産量の約半分を占めています。ということは
世界全体の生産量の約3分の1ということですね。
コートジボワールに次いで多いのがガーナ。
日本ではチョコレートの原料としてガーナ産の
カカオ豆が使われることが殆どです。
なぜならガーナは政府が一度農家から買い取り、
それを他国へ輸出するなど政府がきちんと
管理しているので、輸入する製菓メーカーにとっては
安定供給が望めるからです。
また、古くからガーナ産の豆を輸入しているので、
それに慣れていることもありますし、品質も
悪くないなど様々な要因が考えられます。
それに対してコートジボワールは、生産量こそ
世界一であるものの、内紛や政治的な不安定リスクが
大きく、原料カカオの安定供給を望む輸入メーカーには
ちょっと難しい国になっています。
(逆にいえば、政治リスクがなくなり、透明で安定した
貿易体制が整えば、日本への輸出が増えてもおかしく
ないポテンシャルの大きい国でもあります!)
さて、次にアメリカ大陸に目を向けるとブラジルや
エクアドルが比較的大きな割合を占めています。
今のメキシコあたりの地域(マヤ文明発祥の地)が
カカオの発祥でもあり、この中米の国では
生産量こそ多くはないものの、それでも国土面積を
考えればそこそこのカカオ産出国です。
カカオ豆の品種としても、他の地域とは少し異なる
原生種に近いものがあり、その希少さゆえにプレミアムが
ついたります。
最後にアジアですが、われらがインドネシアが
ダントツですね!インドネシアの中でもDari Kの「K」
であるスラウェシ島が生産量の70%以上を占めています。
インドネシアの他には、パプアニューギニアや
マレーシア、フィリピンなどでも栽培されていますが
世界的に見ると大きな産地ではありません。
ワインの産地としては、南欧であるフランス、
イタリア、スペインをはじめカリフォルニアや
オーストラリア、南米のチリやアルゼンチンなどが
有名で、日本も山梨を始め国産ワインができますね。
それとは対照的に、カカオは生産国が非常に
限られているのが分かります。
またワインは原料生産国での消費が多いのに
対し、カカオは生産国と消費国が異なるのも特徴ですね。
ワインと比べると共通点や類似点・相違点が
良く分かるカカオですが、次回はカカオ豆の
品種についてお話したいと思います。
日本カカオ協会を作って、チョコレート・ソムリエというか
カカオ・マイスターというか、カカオ検定というか、
そんなこと出来たら面白いな、と思う今日この頃です。
次回お楽しみに!