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dari K to the World
ブログ

政治について考えてみた

6月29日(金)に、大阪のグロービス経営大学院で
開催された「大阪・関西から日本の政治を語る」という
セミナーに参加してきました。
以前から尊敬している堀義人学長をモデレーターとし、
自民党の世耕氏、民主党の福山氏、同志社大学の村田教授を
スピーカーとする豪華な顔ぶれ。
東京にいたころは、証券会社が主催するセミナーで
興味あるものには結構参加していましたが、今回は
関西に来て本当に久しぶりの参加でした。
今の政治状況や税と社会保障の考えなど各人とも
語っていましたが、個人的には村田教授と
堀氏の発言や意見がセンスがよくて、というか
ウィットに富んでいて心地よかったです。
オーディエンスが政治や経済にかなり関心を寄せている
層なので、それなりの深さの議論があって、
ああこういう政治家もいるんだな、とちょっと
安心する反面、政治家は(今回のお二人ではなく、
政治家一般として)経済のことをどれだけ理解しているのか、
という疑問がいつも湧いてきます。(まあこれを言ってしまったら
キリがないですが・・・)
政府の予算(平成23年度)を見ると、
歳入の44%が税収、48%が公債です。
もう赤字公債でなんとかしのいでいて、これって
どうなんでしょう。
サラリーマンに例えれば、毎月給料の倍以上の
借り入れをしないと生きていけない、って
いうことですからね。しかも普通のサラリーマンなら
給料と同じだけの借り入れなんかできるはずがなく、
とっくに息絶えてしまうところ。
今生まれてきた赤ちゃんには800万円の借金が
もれなくついてくるという現状。
可愛い赤ちゃんが日本でオギャーと生まれてきた瞬間
800万円の借金を課すわけですよ。
それでも高齢者は「年金額が年々減ってけしからん!」
と言うわけです。
自分は戦争を経て、荒れ果てた日本を引っ張って
経済成長を成し遂げてきたんだ。それなのに
ようやく引退できると思ったら年金は減らされるわ、
定年は引き上げられるわ、たまらない。
それも現状。
一方で生まれる国も選択できない赤ちゃんが、選挙権を
もたないこどもが、今の引退世代の年金や医療費を
払うために莫大な借金を抱えさせられる、これも現状。
どちらも嘘ではないし、どちらの主張も分からないではない。
世代間格差・世代内格差。
オックスフォードの私の論文は年金制度を国際比較
(日本・米国・スウェーデン)した上で、これから
ますます進む高齢・超高齢社会で社会保障として労働政策や
年金はどうあるべきかを扱いました。
*ちなみに高齢化社会は総人口の7%が高齢者(65歳以上)、
高齢社会は14%以上、超高齢社会21%以上です。
こうした人口構造や社会構造の変化に合わせて政策を決めなければ
いけない時代に、「年金が少なくなるのはああだこうだ」
と言ってみたり、こどもに選挙権がないことをいいことに?
今の世代のツケを将来世代に先送りするスタンスを
とって選挙で勝ち残ろうとしたり。
それが成り立っちゃうのも、国民が自分のことしか
考えてなかったり、将来世代のことを考える必要性すら
わかっていなかったり。
政治家を批判するからには、それだけの知識と洞察力が
いるわけで、ただ単に批判してもしょうがないわけです。
すごい政治家がでてきたところで景気が一気に良くなる
ことはないし(だって今の円高を解消しなきゃはじまらないのに
その原因はギリシャやイタリアでしょ!)、逆説的だけど、
結局は国民一人ひとりがレベルアップしない限り
どうしようもないのだと思います。
村田教授の一言が心に残りました。
『良いリーダーは、ちゃんとしたフォロワーの中からしか
出てこない』
良い政治家は、しっかりした国民がいてこそ、その中から
選ばれ出てくるのです。
今政治家がよくないとすれば、それは国民が
しっかりしてないから。
しっかりするには、自分の頭で考えることが必要。
入ってきた情報を鵜呑みにせず、常に考える。
当たり前のことだけど、(慣れないと)難しい。
久しぶりに本業(チョコ)以外のことを書いてみました。
つい熱くなっちゃいますね、政治経済のトピックを
夜中に扱うと。
あと数時間後には同志社大学で講演をさせてもらいます。
自分の想いが学生に届くよう、自分の言葉で語ってきます。